たけぴょん日記

某理系大学院卒、自然栽培農家見習い。

米作りは海外に移転すべき

米作りで利益を上げるカギは、単価を上げるより、如何にコストを下げれるかにある。なぜなら、そもそもお米は主食なため単価を上げることが難しい。また、米作りにおける利益率は約20%と、売上に対するコストの割合が高いからだ。主なコストは、人件費、農業機械の購入費、農業機械の修繕費、燃料費である。これらのコスト下げることが出来れば、利益率が格段に高まる。

 

その一つの方法は、海外で生産することである。人件費が安い開発途上国で、さらに燃料費が安い産油国であれば、圧倒的にコストを下げることが出来る。日本では農業を辞める人が増えるにつれて、中古機械が多く安価で売られている。それらを購入し初期投資を抑え、上記の条件に当てはまるところで生産をすれば利益が出るだろう。

 

TPPは批判を受けることも多いが、同時に多くのチャンスが広がっている。日本で稲作が経済的に成り立たない以上、多くの製造業が海外移転したのと同様に、有利な条件で生産出来る場所に移転すべきである。コストの観点からだけでなく、食料安全保障上も重要だ。日本は1993年は冷夏で国内のコメ生産量が対前年比で30%ほど下落し、オーストラリアやタイから緊急輸入した経験がある。これは日本だけで生産するシステムの脆弱性を露呈した。一概に自給率を上げれば食料安全保障が高まるわけでないと言える。日本の資本で海外に農場を作り、生産する場所を分散させていくことこそが、食糧安全保障を高めるのである。