たけぴょん日記

某理系大学院卒、自然栽培農家見習い。

後発開発途上国における自然農法の可能性

 

自然農法って、アジア・アフリカの留学生に会うまで、先進国の富裕層向けの農法だと思っていました。というのも、自然農法で育てる作物は、慣行農法の作物に比べて価格が高くなるからです。それを売るとなると、ある程度お金持ち向けのマーケットがないと成り立ちません。

 

ところが、アジア・アフリカの留学生40人に「将来どういう農業をしたいの?」と聞いてみると、「有機農法、自然農法をやりたい」という答えが返ってきます。

 

彼らは栃木の那須塩原にあるアジア学院に留学をしているのですが、そもそもアジア学院は有機農法、自然農法を実践することを勧めています。なので、とりあえず異口同音にそう答えているのだろうと思いました。そこで、具体的になぜ良いと思っているかについて聞いてみました。

 

たけぴょん

「何で、有機農法、自然農法が良いと思っているの?」

 

ミャンマーのタンさん

「私達は遊牧民で山間部に暮している。焼畑農業をしながら移動して暮らしてきたが、だんだん人口が増え始めたため食料が間に合わなくなってきた。そのため、焼き畑農業ではない、農地を永続的に使える方法を求めている」

 

たけぴょん(内の声)

「なるほど、持続性という部分で惹かれているのか」

 

タンザニアのハピネスさん

「私の国では種を自家採取ではなく、企業から種を買っている。そのコストがかかるので、家計が苦しい。自家採取をすることでそのコストを無くしたい」

 

たけぴょん(内の声)

「なるほど、種の自家採取によってコストを抑えることが出来る」

 

ネパールのタルさん

「農薬、化学肥料を使わずに、より安全なものを食べたい。」

 

たけぴょん(内の声)

「なるほど、自分で食べるものなら安全なものがいい」 

 

彼らは、持続性、コスト削減、安全性から自然農法が良いと考えていました。もうお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、彼らは主に自給自足をしています。そのため、彼らの一番の問題意識というのは、いかに”自分達が安定して食料を確保するか”になります。ですので、種を自家採取し、農薬、化学肥料を買う必要がない有機農法や自然農法に興味を持つのは納得が出来ました。

 

日本では、有機農法、自然農法はまだまだ普及していませんが、後発開発途上国などの自給自足を基本にしている場所でこそ、より普及が進むかもしれません。

 

後発開発途上国にいながら、食に関しては先進国富裕者レベル!という時代が来るかもしれません。

 

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勉強の様子1(自家採取について!)

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勉強の様子2(真剣なまなざし、笑)

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